D E F G 

@ A B C

ダイアリー

ダイアリー 第1話

あの日から・・・3日が経ってしまった・・・。ここまで後悔したのは初めてだ。・・・そう、私の好きな人が転校してしまったのだった。
私は今、放課後の教室でボーッと座っている。黒板、教卓、みんなの机。足りないモノはない・・・と先生は思うだろうが、私にはあの人が足りない。あの人がいない。
あの人は、私が好きだったこと知っていたの・・・・?ううん、知っているはずがない。だってあの人には多分好きな人がいる。おそらく、その相手は・・・

「ちょーっと、亜麻音帰らないのー??」
亜麻音の親友桜井 佐和(さくらい さわ)が教室に入ってきた。
「あ・・・うん!ちょっと待ってて・・・帰る用意するから。」
亜麻音は急いで笑顔を取り繕った。

私、須川 亜麻音(すがわ あまね)15歳 高1。
親友の佐和は、小さい頃からの友だちで、私のお姉さんと言ってもいいぐらい、私にはよくしてくれた。そんな佐和に、ずっとあこがれていた。
そして、私の好きな人 森 東(もり あずま)は、つい3日前に県外へ引っ越ししてしまった。その森の親友の桑田 潤(くわた じゅん)はかなり悲しそうな顔をしていた。いつもクールで無口で無愛想なあいつも、そんな顔するんだ・・・というのが私の感想。・・・っと、紹介はこのへんにしておいて・・・

亜麻音はカバンを背負い、立ち上がった。
・・・私の意気地無しのせいで、告白すら出来なかった。
ひたすら亜麻音はそのことをこの3日間後悔し続けていた。
メアドだって知らないし、ケー番だって知らない。・・・最悪だ・・・。
「・・・ん?」
亜麻音の目に、1つのメモ帳が映った。亜麻音はそれを拾い上げて、誰のモノか分からないので中身を見た。
「これって・・・・!」
なんと、佐和の日記帳だったのだ。
最近の日にちは9月8日になっている。森が転校してしまった日だ。

”9月8日_
  いつものように学校へ行ってみると、なんと森くんが転校!いきなりだってから、ビックリしたんだけど、同時に変な感情がこみ上げてきたんだよね。なんだろ・・・この気持ち・・・って考えていると、森くんと目が合っちゃって。なんか、今までにない感情だった。そして、森くんが行っちゃったときにようやく気付いた・・・私、森くんの事が好きなんだ、って。今更気付いても仕方ないのに・・・


日記はそこでとぎれていた。涙の後がある。亜麻音は体中が鉛のように重くなったような気がした。
風がびゅうと吹き抜け、カーテンがなびく。カーテン越しにうつった亜麻音は泣いていた。
佐和も・・・好きだったんだ・・・なのに、あんなに明るく振る舞っている。やっぱり、私のあこがれの人だ。
複雑な気持ちだった。
私も森が好き・・・でも、佐和だって好き・・・どっちも悔やんでも悔やみきれない後悔をしている。だって、2人にとっての初恋の人だった。いつしか聞いた言葉を思い出す。初恋は、なかなか忘れられないものだ。次の恋よりもとっても大事なものなんだ・・・
佐和のことは大好きだった。でも、森にはもっと違う感情がある。
かなり複雑で、辛い気持ちだった・・・。
「ねぇ、亜麻音!遅いよー」
佐和が怒ったようにこっちへ来た。
急いで日記帳を隠そうとした亜麻音は手がすべって落としてしまった。
「え・・・・」
それを見て佐和は絶句する。
「もしかして・・・見たの・・・?」

                               *つづく*

H I