「くっ・・・・ここまでか・・・・」
黒髪の男がゼイゼイ息を切らしながら言った。
「そうね・・・・でも・・・せめて何か残してあげられないかしら・・・・」
透けるような茶色い目のきれいな女が言う。
「でも、あの子が大きくなってこの星に来ると思うか?」
「大丈夫。きっと、来るはずよ・・・・・」
「・・・・わかった。仕方ないな。」
そんなやりとりを聞いていた人物が1名。
「あの・・・おじさま、おばさま・・・何をするつもりです・・・・?」
この人はどうやら男と女の使いのようだった。
「あ、メイル。あの子と一緒に地球に帰って。」
女がそのメイルと言う使いに言った。
「え・・・・・!!!そんな・・・・ではあなた方はどうするのです・・・・?」
「覚悟を決めるしか・・・ないでしょう?」
「そんなの・・・・ダメです!!このメイルが許しませんとも!!」
メイルは必死で止めた。が、男が割って入って首を横に振った。
「メイル・・・・主人の命令は絶対、だ。」
ものすごく悲しそうな目をしているのを見て、メイルはとどまった。
本気だ・・・・
寒気を感じるほどに冷たい・・・・威圧感。
「・・・・私だって、あの子の成長した姿を見たいさ。だがな、あの子を守るには人の命だって犠牲にしなくてはいけない。私はあの子を救いたい。」
「そうよ。ね、あの子をどうか、丈夫に育ててね・・・・?」
メイルはほとんど涙目になっていた。
「・・・・はぃ・・・・わかりました・・・・・」
それを聞いて、男と女は同時ににっこり笑った。
「すまないな、メイル。」
「いいんです・・。さようなら・・・・・」
「えぇ。さよなら。あなたが使いで本当に良かったわ」
「光栄でございます。」
「じゃぁね・・・・」
そういって、男と女は草むらに入っていった・・・・・・
「ミルフィ・・・あなたの両親は、とても立派です・・・」
スウと涙が一筋、メイルの頬を伝った。
「私が・・・・必ず、守りますからね・・・・」
15年後____ ”西暦2805年”
ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・
「う・・・・うぅーんっ!!」
「ミルフィーっ!起きて!!!」
1階の方から怒鳴る声。
「眠いんだってばぁ・・・・」
耳元にでは目覚まし時計がピッピ鳴ってうるさいし。
ミルフィがしつこく安眠ベッドに寝込んでいると、突然ベッドがひっくり返った。
「・・・・・いったぁーーーーーーーーい!!!!」
その声を聞いて、急いでおばさんが3階に上がってきた。
「どうしたの!?」
「メイルおばさん・・・・なんなの、このベッド!」
「あぁ・・・・なんだ・・・」
メイルおばさんはホッとした様子で言った。
「昨日買ったのよ。なかなか起きない子にはこれを!ってね」
うっそぉー・・・最悪だ。
ミルフィは仕方なく、ブツブツ言いながら起きた。
「私・・・低血圧なのに・・・・」
「はいはい。」
にこにこしながらメイルおばさんは瞬間移動エレベータに乗って行ってしまった。
私、ミルフィ=アナモーグ。15年前、私がわずか0歳のときに両親は死んでしまった。だからこうしてメイルおばさんに預かってもらっている。
そういえば、今日はここマルチア大王国で世界の誕生日をするんだったっけ。なんでも、世界各国から多くの人々が参加するとか。すごいなぁ。
私もその誕生日とやらに行くつもりなんだ♪
この誕生日で何が起こるのかは・・・また後ほどだけど・・・・・
*つづく*
