魔法のチョコレート 第7話

教室に入ると、渚がボ〜ッとしていた

「おはよー。なぎっ・・・じゃなくて、琴音。」

私はいまだに琴音って言えない。だって自分の名前を言うなんて、すっごい違和感があるでしょ??まぁそれは個人的な事かもしれないけど、私はそう思う。

「おはよ」
渚は言った。が、いつになく元気がないような気がするのは気のせい?

「・・・渚?」
私は小声で言う。

「どうしたの?」
すると渚はこっちを向いた。なんか悩みでもありそうな顔。
「・・・琴音ぇ〜!!!」
渚が大声で言った。クラスのみんなが一斉に振り向く。あ・・・やっばー。今は入れ替わってるのに!!
「ちょっと・・・・何言ってんの琴音!・・・大丈夫?」

私は急いで渚風に言った。よかった、声が小さくならなくて。
渚はハッと我に帰って、『ゴメン』と手を合わせてすまなさそうな顔をした。

「・・・・で、なにかあったみたいだね?」
私は渚のトナリに座りながら言った。
渚はコクンとうなずく。

「私ね・・・・・・・くんのこと好きかも・・・。」
「え!?」

あまりにも渚の声が小さくて聞き取れなかったものだから、私は耳を突き出した。渚はあたりをチラッと見てから私の耳の側に来て小声で言った。


「だからぁ・・・私、トオルくんのこと好きかも・・・。」
渚はそれを言ったと同時に顔を真っ赤にしてから机に突っ伏した。

渚に好きな人・・・・?それって初じゃない?ってことは渚の初恋の人?
トオルって・・・・それは私の中1の弟のこと。・・・・・・え、弟??



「ええええエエエエエエぇぇぇぇ!!!!??????」

声は小さかったけど、その驚きようは多分日本1。

「う、、、うっそぉ!え、え、え、ホントに?」
私はいつものどもり癖がでながらもなんとか言い切った。
「ぅん・・・。そうなの!!!トオルくんに会うとキューンってなっちゃうんだって!」

渚はどおしようを連呼しながら机を拳でドンドンたたいた。まぁムリもないと思う。初恋の人だもん。ってか、なんでトオル?

「入れ替わってからね、ずっと琴音の家で生活してるもんだから・・・。トオルくんと話してるウチに・・・ね。そうなったんだって。」
入れ替わってからかぁ。・・・・でもトオルねぇ?イヤ・・・渚も物好きと言うか・・・・。
私が色々な思いをめぐらしていると、渚が私の制服をクイと引っ張った。
「・・・ん?なに?」

「私、どうしたらイイと思う・・・・・・?」
「どうしたらって・・・・」
どうしたらいいんだろう?渚が告白するとか??でもまだ20日も元に戻れないしなぁ。

「私、考えたんだけどさ」
渚が手を口に当てながら言った。この仕草はあんまり良い案ではないと見える。
「トオルくんには正体ばらすことにしない?そんで、私自身が告白する。」
「え、告白するの早くない?」
もうするの?イヤ、まさか・・・。
「だってこういうのは早めに手を打っておかないと。」
そう言うと渚はがぜんやる気を出した。いつもの渚だ。
「ってことで、琴音。今日琴音の家に来て!」
「え・・・私も付き添いですか?」
「もちろんよ!」
渚は親指を突き立てた。

げぇ〜・・・・なんかやっかいな事になったなぁ;;

                               *つづく*