魔法のチョコレート 第15話

翌日、私は自分の家で目覚め、自分の家で朝食をとり、自分の家の玄関から出て行った。30日ぶりっ・・・・・・こんな生活をするの。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
みんなに見送られ、私は走って学校に行った。

「あ、琴音!!おっはよ〜♪」
渚がこっちに小走りで近づいてきた。
「おはよ」
なんとも言えない、すがすがしい気分だった。
すると赤坂くんが教室に入ってきた。私たちと目が合う。
「あ・・・・・」
赤坂くんはなにか言いたげだったが、すぐにとどまり視線をそらした。
「なに、あの態度!」
渚はブッスーとしてあっかんべーをした。その様子を見ていた数人の生徒は、冷ややかに渚を見ている。いい年して・・・・とみんなにあきれられても不思議ではない。
「もぅ、いいじゃん。私まだあきらめるつもりはないし。」
「え!?そうなの!?」
渚が目を輝かせた。
「なーんだ!ヨカッタ!!ウンウン!!」
1人でハイテンションになって、私は気落ちするばかりだった。
赤坂くんは渚のことが好きなんだ・・・・それには変わりない。そんな事ばかり考えて、精神的に大きなダメージがあった。

チャイムが鳴り、私たちは席につく。
1校時、2校時・・・時間が波のようにスムーズに過ぎてゆく・・・私は目の前の黒板をボーッと見てはあくびをする、その繰り返しだった。
ダメダメ、私は受験生なんだから!顔をパンとたたいたが、眠気はいっこうに退こうとしなかった。
ようやく昼食の時間。
「ふぁぁぁぁ〜・・・・眠いよぉー」
睡魔に襲われて、なんだかいつもの倍しんどかった。
「だねー。さ、お昼お昼♪」
ルンルン飛び跳ねながら渚はお弁当を取りに行く。
「私もお弁当・・・・」
とカバンを開けると、そこにはなんにも入ってなかった。
「え・・・」
イヤイヤイヤ。コレはなにかの間違い?なんでお弁当がないんだろう?
サッと血の気が引いた。や、やばい。お弁当忘れたかも・・・・
「琴音ぇ!どぅしたの?」
「え、と、お弁当忘れた・・・」
「えええ!」
渚は自分のカバンをごそごそとあさりだした。
「500円貸してあげるから、そこのコンビニで買ってきて・・・ね?」
私は普段、お金というものを持ってきていない。(自分で言うけど)マジメだからだ。
「ホントごめん・・・・ありがと!」
私は礼を言って超特急で廊下を駆け抜けた。
コンビニで買ってるところを先生に見られたら、内申点下がるどころじゃすまないかも!

「はぁ・・・はぁ・・・」
なんとか、先生に見つからずにコンビニ到達。よかったぁ・・・
私はゼーハー言いながらコンビニへと足を踏み込んだ。

                              *つづく*