




私は朝からやる気がなかった。何もかも、あの赤坂くんの一言が原因。人のせいにしちゃいけないのは当たり前だけど、今回はどうも立ち直れなさそう・・・・
「琴音ぇ〜・・・元気だして・・・!」
いつも元気な渚でさえ、こんな始末だった。元気なんて出せないょ〜・・・
「もっといい男いるって!!」
渚はバンッと私の背中をたたいた。もっといい男・・・ぅぅぅ・・・泣きそう。
「私がしゃべり上手じゃないからダメなんだぁ〜〜!!」
私は嘆きながら机に突っ伏した。もう・・・私のバカバカぁぁぁ!!!!!!!!明日から登校拒否しちゃうよっっっっ 泣))
こんな調子だから、私の目は常に充血している状態だった。
キーンコーンカーンコーン・・・♪
お昼休みのチャイム。赤坂くんが前を通ったが、ショックのあまりまったく気にしなかった。赤坂くんは心配そうな目で私を見た。当たり前だけどね。心配しなかったらもっとショックを受けて、ショック死しちゃうって!
「琴音・・・・」
渚はその後ずっとしゃべってこなかった。
それはものすごくありがたかった。今は・・・・誰とも話したくない・・・
今日でいったい何回ため息を連発したのかわからない。100回以上はゆうに超えているだろう。
5校時・6校時はすっごいダルかった。受験生なのに、こんなんじゃダメだ・・・と思っても、案の定どうしても授業に集中できない。こんなの、私じゃないよ・・・自分で自分がイヤになる。
そして、放課後。今日は何をしたのか全く覚えていない。ただ、これだけは覚えている。赤坂くんに好きな人がいることを知ったこと。
「はぁぁぁぁぁぁ」
またまたため息。
「はぁぁぁぁぁぁ・・・って、どうしたんだ渚?」
「え・・・・それはねぇ・・・赤坂くんに・・・・って、」
私は目が飛び出した。めがねを突き破るほどに・・・って、元からめがねはかけていないけど。
「ん?オレがどうした?」
「い、、、いいや!!!何にも・・・・ありません・・・・・」
いつも以上に声がしぼんでいった。
危ない危ない・・・もう少しでショック状態の理由を言ってしまうところだった!!もう喉までせり上げてきてたから、言葉を飲み込むまでかなりの時間がかかった。少なくとも、私はそう感じた。
「それよりさ・・・・ちょっと相談・・・いいか?」
赤坂くんはすまなさそうな感じで言った。どうせ赤坂くんの好きな人の相談でしょ。絶対そうだ・・・。と思いつつも私はコクンとうなずいた。
「ゴメンな・・・・」
そういうと、赤坂くんは回りに誰もいないことを確かめてから言った。
「オレの好きな人の事なんだけど・・・」
「わかってる。」
「ぅん。それで、その人にも好きな人がいるみたいなんだ。」
え・・・・・うそぉ・・・・・それって、すごくかわいそうだよ!私、今まさにその気持ちを味わってるんだもんっ・・・・
「そ・・・うなんだ・・・・」
私は残念そうに言った。ホントに残念だった・・・こうなったら赤坂くんに幸せになってもらおうと思ったのに、なにそれ?って感じで・・・・自分自身も心底残念に思った。
「オレ、すっげぇ惨めじゃね?マジで恥ずかしー・・・・」
赤坂くんは手で髪の毛をクシャッとした。
「そんなことないょ・・・・・」
励まそうとしたけど、声が小さくなって最後の方は自分でも何を言ってるのかわからなかった。
赤坂くんはますます悲しげな表情を浮かべた。赤坂くんがそんな表情をすると、私まで泣きそうになってくるよ・・・・
「好きな人・・・・諦めよっかなぁ」
いつもの赤坂くんのようじゃなかった。そこまで今惨めな気持ちなんだ。
「・・・・ダメだよ!諦めちゃそこで何もかも終わっちゃうよ!」
こんなこと言ってるけど、私自体が諦めちゃってるから、あんまり大きな事は言えない。
「そう・・・思うか?」
「思うよ!」
赤坂くんはニコッと笑ってから、
「そんじゃ、そこまで言うんだったら、頑張ってみるな。」
私はまたショックを受けたが、笑顔を作った。
「ぅん・・・・・」
さようなら、赤坂くん・・・・かな・・・・?
*つづく*