苺はプールの底へ沈んだ・・・
プール場では長い沈黙が流れたー・・・。
そして、男子が騒ぎ出した。
「翼!いまだ!ゴールしろー!!!」
「そうだそうだ!いっけー!」
「ちょっと男子!苺は多分休憩してるんだよ。そんな言い方
ないじゃない!」
「は?休憩?こんな時にか??ありえねぇーー!!!!」
すると美鈴が言った。
「もしかして苺・・・・おぼれてるんじゃない?」
「・・・・えーーーー!!!」
全員が驚きをかくせないようすだ。
「なんで!?苺は水泳教室いってるんだよ?」
「でも・・・・様子がおかしいよ!!」
こんな話をしていると、翼があと5bに迫っていた。
「あ!翼がくるぞ!」男子が騒ぐ。
「ちょっと・・・人の話聞いてよ!」
翼がもうゴールしそうな時だった。
「オイ・・・・翼!どこ行くんだよ!」
いきなり、翼が逆方向に向きを変えたのだ。
「ちょっ・・・翼!?」みんなあっけにとられている。
(もしかして、森村・・・おぼれてるのか!?)
翼は苺の方へと向かった。
(ぅ・・・ン・・・私・・・おぼれちゃったの・・・・・?息が・・・苦しい・・・・)
そのとき、苺はやっと水から顔がでた。翼が苺を抱いている。
「橘・・・・くん?」
「森村!大丈夫か!?」
「ぅん・・・・な・・んとか・・・。ゲホッ!ゲホッ!」
「水をはくんだ!!とにかく、保健室に行くぞ!」
翼は服を着替え、先生の許可を得て苺を連れて行こうとした。
「オイ!!翼!・・・お前、うらぎったな。森村なんかほっといて
ゴールすればよかったのに!!!」
男子がすさまじい形相でにらんでいる。
「・・・・・」
「何とか言えよ!裏切り者!」
「あのさぁー、もうケンカなんてやめようぜ。人の命と勝利、
どっちが大切なんだよ!!!」
こんなに怒った翼を見た事がない男子は黙ってしまった。
それを感じると翼は、苺を抱いていってしまった・・・
苺が目を開けた・・・間の前には翼がいた。
「た・・・橘くん!ぇ・・・っと、私おぼれちゃったんだよね・・・ゴメン・・・」
「お前、熱がでてたんだぞ。お願いだから、むちゃはやめてくれ・・・・!」
翼の目から涙がでてきた。
「心配したんだからな!」
「橘くん・・・」
そのとき、苺の中のなにかがはじけた。”パチンッ”と。
そして急に顔が熱くなるのを感じたーー・・・
*つづく*
姫・王子争奪戦 第11話