ゴクドー女×お坊ちゃん 第6話

「ねぇ・・・待ってよぉ!」
だがもう遅かった。尽はずんずん進んでいって戸を開けた。
「こんばんわぁ!!」
ちょっ・・・・声でかい!どうしよう。お父さんに見られたら、尽は生きて帰れないかも〜!
「お帰りなせぇ!お嬢・・・・ってあれ?」
「ゴルぁぁぁぁ!!!・・・誰だてめぇは!?今すぐ出て行け!」
みんなすごい形相でにらんでいる。しかし尽は、まったくうろたえてない。
「あっ・・・・あのね・・・私の友だちなの!」
私は尽が半殺し状態になるかもしれないと思って、急いでいった。
「友だち・・・・っすか・・?」
しかも男。女子ならまだしも、男となれば話はべつ。
「お嬢・・・」
哲がこっちに寄ってきた。
「やばいよね?お父さんにみられちゃぁ・・・」
「そりゃぁ・・・・そうっすねぇ・・・・」
するといきなり、哲の顔が真っ青になった。
「どうしたの?哲・・・・」
私は哲の視線をたどっていった。・・・・・・・げっ・・・・
「お・・・・お父さん!」
「オイ・・・璃緒。お前・・・・誰だその男はぁ!?」
ものすごく嫌悪感を感じる。ホントやばいかも。
私が説明しようとすると、すぐに尽が割って入った。
「すみません。僕・・・・あの宮城 竜郎(たつろう)の息子で、宮城 尽と言います。いきなりおじゃましちゃって・・・・あの・・・コレ、お詫びの印に・・・・どうぞ。」
そう言って尽はカバンから50万円ほど取り出して差し出した。
「宮城 哲朗・・・・って、まさかあの金持ちの・・・?」
お父さんはお金を見て目をまん丸くした。
「はい、そうです。」
おおおおー!という周りからの声と共に拍手喝采が起こった。
「なんでぇ・・・そうなのか!?いやぁ、娘を送ってきてくれてありがとよ!ちょっと上がっていきな!」
お父さんはしっかりお金をもらってニコニコして言った。
「はい。ではお言葉に甘えておじゃまさせて頂きます。」
尽は自分の靴を丁寧にそろえて上がった。
かなりこういうのは手慣れているらしい。
そんなことよりもっとビックリしたのが、尽があっというまにお父さんに気に入られたことだった。お金持ちってすごいけど、尽の言葉遣いとか、かなりイイ感じ。

尽がそろそろ家に帰りますと言って、外に出て行くのを見送ろうとしたら、お父さんに呼び止められた。
「オイ・・・璃緒。お前あの尽とか言う奴、しっかり捕まえろよ!」
「はい!?」
「将来結婚でもしたら、お金がザクザク入ってくるから・・・・・」
「はぁ・・・・・・」
お父さんって、っていうか、ヤクザの人ってみんなこんなカンジ!?お金になると目の色変わるっていうか・・・・
まぁ、とにかく大事にならずにすんでよかった〜・・・
「じゃぁ、見送ってくるから。」

「あの・・・ごめんね。あんな騒がしくて。」
今日のみんなの態度と来たら、尽さん!とか、宮城の兄貴!とか?みんなペコペコしちゃって!!
「いや・・・璃緒の家族すげぇおもしろいな!」
尽はニッと笑った。
あ・・・また笑った。なんか胸の奥の方でキュンって音がしたのは気のせい?
まぁ、もともとは好きだった奴だし、仕方ないかな・・・・
でも、やっぱり嫌い!性格悪いし。私はまだ認めないから!

「じゃ・・・また。」
「オウ。明日な」
そのとき、あり得ない出来事が起こった。尽が頬にキスしてきたからだ。
「庶民の家もおもしろいから、また来てやるよ!」
そう言って帰って行った。
私は言い返す気になれなかった。だって・・・顔が焼けるように熱かったから。

                             *つづく*