ゴクドー女×お坊ちゃん 第17話

私は公園に行った。今はみんなまだ学校なので、人はまったくいない。
涙がだんだんこみ上げてくる。もぅムリ。限界・・・ガマンできない・・・
私は公園のブランコにガシャンッと座った。その衝動でトナリのブランコまでぎぃぎぃと鳴って少しゆれた。
「・・・・・っ」
涙が出てきた。ブワッと。とまんない・・・絶えられない・・・ひどい・・・ひどいよ!
泣いちゃおう。どうせ涙が止まらないなら泣いちゃおう・・・そう思って、声を張り上げて泣こうとした。が、声が出なかった。悲しさのあまりか、不思議と声は出なかった。だけど、涙は出る。私は声を出さずに泣いた。

どれだけ長い間泣いただろう・・・。私はカバンから鏡を取り出した。うわぁ・・・目が真っ赤っか!そりゃ、1時間近く泣いてると、こんなになるのも当たり前だろう。
「はぁ・・・・・」
ずいぶん泣いてもう水分が無くなったみたいだ・・・。泣こうとしても、涙が出てこない。仕方なく、私は泣くのを止めた。まだ泣き足りないくらいなのに。
ボーッとしていた。すると・・・
「カゼ引くぞ。」
頭の上に何かバサッとかかった。・・・ジャンパーだ。
私は真っ赤に腫れた目で誰がいるのかを見た。・・・一瞬、心臓が止まりそうになった。尽が立っていたからだ。
「・・・・・・・尽」
私はそれだけ言うと、さっさとブランコを下りて、ジャンパーを捨てて帰ろうとしたが、尽が手を握る。
「オイ、・・・どうしたんだよ?いきなり学校抜けて・・・。」
「尽にはカンケーないでしょ。」
声はでたものの、かなりかすれているのが分かった。
「カンケーあるよ。それに、その目、どうしたんだ?真っ赤だぞ・・・」
かなり心配そうな目で私を見つめた。どうせ、心配なんかしてないくせに。
「カンケーないって言ってるじゃん。」
手をグイと引っ張ってみた。しかし、ムダな抵抗でビクともしない。
「なんでだよ?オレ、すっげー心配してるのに。」
胸がキュンッとなった。・・・最悪。まだこんな奴のこと好きなんだ?5月でふられたときは、そこまで気にしなかった。また別の人をさがそうって思った。だけど、今回はちがう。どこかがちがう。あきらめきれないもん・・・
「オレ、お前のこと好きなんだぜ?」
尽は私の頬に手を触れた。・・・あったかい・・・しかし、そんな気持ちと同時に怒りまでがムクムクとこみ上げてくるのを感じた。
「ウソ・・・・」
「なにがウソなんだよ?」
そのとき、私の中で何かがプツッと切れた。
「今日の昼休み、あんなこと言っておいて・・・サイテーだよね!?」
かすれた声で、できるかぎり大きな声を出した。
尽は面食らった感じで、じっと私を見つめている。
「今日の昼休み・・・?なんの話だよ。」
「とぼけないでよ!!廊下で・・・女子と話してたじゃん!!私の気持ちなんてどうでもいいんだ!?・・・ひどいよっ!」
私はもう、悲鳴のような声に変わっていた。ヒステリックな女を扱うのになれてなさそうな尽にとっては苦痛だろう。
「璃緒・・・あれ聞いてたのか!?」
オロオロしながら尽が訪ねた。
「聞いたよ!ひどい話をね。もう・・・いいっ・・・!」
私はカバンを持って、走り去った。尽が叫んでいる。そんなのもうイイ。もうなにもかも良いんだ・・・。とりあえず、遠くまで逃げたかった。尽のいないところに・・・。
私はチラッと後ろを見た。尽は追ってこない。・・・何を期待してたんだろう?追いかけてきてほしいなんて思っちゃうなんて、今回はそうとう重傷だ。
いつまでも逃げてては話にならないと思い、私は家に帰ることにした。

                            *つづく*