ゴクドー女×お坊ちゃん 第16話
気付いたときには、尽は私に笑いかけていた。なんと私は、さっき「オーケー」をだしてしまったのだ!!!!今でも信じられないんだけど・・・
「昨日、璃緒が聞いてきただろ?『私のこと好きでしょ?』って。」
「ぅん。」
「あのとき、実はすっげーあせったんだって。」
そりゃぁ、そうでしょ。図星だったし・・・
「私・・・・・尽のこと嫌いだったけど、いつの間にか・・・・」
「オレ、璃緒のこと・・・マジで好きだから。」
「・・・・・私もっ・・・・・」
もしかして・・・・人生で一番幸せな日かも・・・!!!
まぁ、幸せは長くは続かないモノー・・・だと言うこと、璃緒はもうすぐ知ることになるが・・・
翌日、私は少しルンルン気分で学校に行った。尽に会うのが前よりもずっと楽しみになったっていうのも機嫌の良い1つかもしれない。
下駄箱で尽と会った。私も尽も、一気に顔が赤くなる。
「お・・・おはよ・・・」
尽は小声で言ってくれた。その一言が嬉しくって、つい口元がゆがんでしまう。
「おはよ♪」
結構いつも通りに接せれた。尽はそれに驚いたようだった。
「いつも通りにしようよ?」
私は昨日みたいに心臓がバクバクいってなかったので、ヨユーの笑顔を見せられた。
「・・・・そうだな!」
尽もニコッと笑ってくれた。他の人には見せない、いつもの笑顔で・・・
しかし、なにかどことなくいつもの尽と違うのに気付くのは3時間目の初めだった。
尽の表情は、「なんかまずいな・・・」というような表情をしていた。なにがまずいのか?そんなのは分からない。エスパーじゃないから。
4時間目に入って、ますます顔が引きつっている。さっきの休み時間、尽が他の女子と話してからだ。一体何がー?
そして昼休み。
「並木!あんパンね!」
「そんじゃぁ、私はコーヒー牛乳で!」
「ぅん。」
私はいつものように教室を出て廊下を走った。でも、今までのような気分ではない。だって、両思いになれたから_!!
「おばちゃん!コーヒー牛乳と、あんパン!」
「はいよぉ・・・。あれ、今日はなんだか楽しそうだねぇ・・・」
「えへへ・・・分かる?」
「分かるよ。ハイ、コーヒー牛乳とあんパン。」
「ありがとっ♪」
私はスキップしながら教室へ戻った。
教室前の廊下まで来て、尽の声がした。声の方を覗くと、数人の女子が尽を囲んでいた。いつものことだけど。
「・・・ねぇねぇ・・・尽くんってさ、このごろ並木と仲良くない?」
1人の女子が言った。他の女子は「そーそー。」とうなずいた。
「並木と尽くんが付き合ってるってうわさまであるのよ?」
もう1人の女子が言う。もうそんなことまでうわさで流れてるんだ・・・
「まぁね。」
尽は外側の言葉遣いで言った。
「え・・・ホントなの!?」
「ぅん。ホントだよ。」
尽はニッコリして言った。さすが尽・・・!あ、私にとばっちりくるかも・・・?
「まぁ・・・・遊びだけど。」
え・・・・・
「遊び?ね、それってどういうこと?」
「並木さんが僕のこと好きだって言ってるから、ちょっと遊んであげただけ。本人は舞い上がってるけどね。」
尽はクスクス笑いながら言った。私にはその言葉が信じられなかった。
しかし、次の一言で私は一気に現実なんだと思い知らされた。
「オモチャ・・・・・かなぁ?遊んでみるとすっごい面白いんだよ。」
「なぁんだ〜・・・そうだったんだ!いい気味ね、並木!」
女子数人は、アハハと笑いながらその場を去った。
尽も続いて後に付いた。
私はとりあえずいったん教室に戻って、注文の品を渡した。・・・・で、教室のドアをバンと開けて、走るように学校を出た。みんなの呼ぶ声がしたけど、そんなの耳に入らなかった。ただゆういつ・・・耳に入ったのは・・・・尽の叫ぶ声だ。その声が、やたらと頭の中を離れなかった。
*つづく*