ゴクドー女×お坊ちゃん 第10話

ううん、そりゃぁオモチャになるより帰る方がずっとイイに決まっている。私はどうかしていたのかも。だって、なんで断っちゃったわけ?絶対ありえない。
「並木、ごめぇん!」
と、言うことで今は昼休み。また私はパリシ役でして。。
「今日お金持ってきてないんだぁぁ・・・。ってことで、おごってくんない?」
「は・・・?」
意味分かんない。ニヤニヤしながら言ってるってことは、ウソって事でしょ?でもでも、言い返せばまた大変なことになる。
「う・・・ん。分かった。」
「ありがと〜!じゃぁ、ミルクフランスほしーなw」
み・・・・ミルクフランスぅぅぅぅ!!??高い・・・!あのパンって、すんごい人気だからこのごろ高くなったのに・・・ひどいよ!
「よろしくね?」
「オッケー・・・・」
私のお小遣いがぁ・・・はぁぁぁぁ・・・・
私はため息を何回もついて食堂へ小走りで行った。

「おばちゃぁん!ミルクフランス!」
「はいよ。」
私は財布を探った。あれ・・・?どうしよう、財布の中身ほとんどない!お小遣い今日もらって、・・・・入れるの忘れてた!!
私がオドオドしていると、後ろから小銭をだした人がいた。
「おばちゃん。ハイ。」
「どうもぉ!」
だれ?私は振り返った。どうやら男の子。そして顔を見た。
「並木さん、いつもここで買ってるよね?」
陽平くんだった。
「ぅん・・そうだけど。・・・なんで払ってくれたの?」
「そりゃ、並木さんが困っているからだよ。好きだからね♪」
私はドキッと胸がなった。なんか、「宿題忘れてきたぁぁ!」っていうときのドキッだ。
「ありがとう・・・助かったよ〜!また返すからね!」
「それじゃぁ、今日返してもらっていい?」
なんで?と聞こうとした。でも聞けなかった。尽が恐い顔してこっちを見ながら近づいてきたからだった。
「尽っ・・・・これには深〜い訳が・・・」
私はまたドキッとした。これこそ、「宿題忘れてきたぁぁ!」っていうときのドキッだと思う。なんたって、手のひらに汗がじんわりにじんでいたからだ。
「オイ・・・成田。」
尽が陽平くんに話しかけた。
「なに?オレ、今並木さんと話してるんだけどなぁ?」
「ねぇ・・・・尽。やめて。」
私は止めたが、尽はそれを無視した。
「お前、あんまり璃緒に近づくな。璃緒があきらかにいやがってるだろ。」
「え?そんなの一言も並木さんは言ってないけど?」
あああ、なんか波乱の予感が・・・・っ
「じゃ、並木さん、また放課後家に連れて行ってよ?それでお金返してくれればいいからさ。」
尽は「お前、聞いてなかったのか!」って言ったけど、陽平くんはさっさと行ってしまった。イイ判断だったと思う。尽の手にかかれば、陽平くんなんて学校からあっさり追い出せることだってできるかもしれないから。
「尽、あんま気にしないで?」
だけど尽の方はかなり気にしている様子だった。
「璃緒・・・・あの男に近づくなよ。」
「なんで・・・?」
なにか私は期待した。なにを期待したのかは分からないけど。尽は期待に応えるようなことを言わなかった。
「あいつ、イヤな奴だと思う・・・から。」
それだけ言って、尽はそこから姿を消した。
イヤな奴_?そうなの?まぁ、ナルシだけど。
私はただそこに立って、尽がいたところをずっと眺めているだけだった。

                             *つづく*